コロナ緊急事態解除で島観光は活況を取り戻せるか

コロナにより世界的な自粛によりフライト乗客数が全世界で大幅に減っています。アメリカの2020年4月のフライト乗客数は対昨年度比で1/10まで下がり、コロナ感染がほぼ収束している中国でさえ、2020年4月は去年の1/3の水準にしか達していません。

アメリカでは、乗客の安全を守るため、マスク着用を必須化、両隣の席を空席にして50%の搭乗率でフライト運航することを議論しているようです(そもそも隣を空席にしたところでエコノミーの座席幅は42cmから45cmなので、ソーシャルディスタンスに必要な2メートルには届きません。。。)。

また、エアラインによっては体温チェックを実施し、体温が基準値を超えている乗客の搭乗拒否を検討しているところもあります。どちらにせよコロナに有効なワクチンが開発されて普及するまでは、行き先を問わず、乗客数及びに観光客は元通りにならないでしょう。

 緊急事態宣言解除後フライト搭乗率は戻るのか

 

 緊急事態宣言が完全に解除されたとしても、コロナが完全に収束していない中、飛行機を利用しないといけない島への足数は元通りにはならないと思います。

もし客足が長期間戻らないとなると、飛行機のリース代、人件費、整備コストといった多大な固定費抱えているエアラインは、そのコストを運賃に転嫁せざるをえなくなります。そうなると、一部の方には島観光が手の届かないものなってしまいます。

そこに追い打ちをかけるように、もし間の席を空けた50%搭乗率での運航が義務づけられると、尚更フライト当たりの収益を確保するため、運賃が高くなってしまいます。

 

 コロナが長引いた場合一番影響を受けない観光客層はどこか

 

一般的に若い方ほど低所得ですので、その層の島観光客数が減ります。一方で、お金に余裕がある中年~高齢の方々の多くも、コロナ感染してしまうと重症化するリスクがより高いことを理由に観光を控えます。若い方は金銭的な理由で来なくなり、中年~高齢の方は感染リスクを抑えるために来なくなると、総じて島への観光客数は減ってしまいますね。

そんな中、金銭的に余裕がある若者は一番影響を受けにくいそうだと思います。お金もあるし、健康面のリスクも限定的。従って、島の観光業に従事されている方々は、この層に対して高付加価値のサービスを展開するのが良いかもしれません。

LCCが多く乗り入れている島は観光客減のリスク大

 

 特にLCCが多くの観光客を運んでいる島は、コロナの収束が長引けば観光客が戻らないリスクがより高いと思います。なぜかというと、LCCの方がより迅速にフライト需要に合わせてフライト数を調整するからです。そして減ったフライトはすぐには戻りません。

 LCCは、座席の幅を狭めてギューギュー詰めにすることで、採算をとっています。一般的に、JALやANAのような大手エアラインは搭乗率60%が採算ラインですが、LCCになると搭乗率70%が採算ラインになります。既にどのエアラインも今現在運航便数を減らしていますが、採算ラインがよりシビアなLCCに関しては、より迅速にフライト数の調整、路線撤退の判断が必要になります。

もし路線撤退してしまうとフライトはゼロになります。また、その場合すぐに路線を復活させないケースが多いです。そのため、その分観光客数が長期に渡って減ってしまいます。

 

 コロナショックの島経済への影響

 

観光業が総生産(GDP)の多くを占めている島ほど、コロナの影響が大きいはずです。沖縄県は、17% (ソース:沖縄県)、ハワイは21% (ソース:ウィキペディア)、宮古島に至っては26%(宮古毎日新聞)も観光業が島GDPに対して占めています。小さな島になればなるほど、観光以外の産業を営む労働力、設備投資、ノウハウがないので、観光業に対する依存度が高くなる傾向にあります。

その観光業が不振に陥ると、島の雇用が減り、失業率が上がります。島で働く若者の中には、都市から出稼ぎに出ている人も多いため、仕事がなくなると島を離れてしまいます。そうなると、その分島の人口が減ってしまいます。同時に、観光業のビジネスを経営している現地の人は、資金繰りに困り、倒産してしまうところも出てきます。

特に、空港、ホテル、マンション、クルーズ船ターミナルの建設ラッシュが続いていた宮古島は、壊滅的なダメージを受けるのではないでしょうか。より多くの観光客を受け入れる体制を大規模に進めていたら、想定外にコロナで観光客が大幅減少。コロナが完全に収束すれば、きっと観光客が元通りに戻ってくるとは思いますが、それまでの期間、果たして激減した売上で資金繰りはできるのでしょうか。現状はとても厳しいと思います。宮古島についての過去の記事はこちら

 

コロナ収束後に島観光は元に戻るのか

 

コロナが完全に収束すれば若者に限らず、中高年の方も安心して飛行機に乗れるようになります。そのためレジャー客は戻ると予想します。一方で、ビジネス客は減少すると予想します。

その背景には、在宅勤務普及による出張の必要性の見直しがあります。一例にしかなりませんが、私が勤めている企業でも緊急事態宣言中は在宅勤務で、全ての会議をテレビ電話で済ませました。取引先との商談も含めてです。通勤をしなくてよかった分、拘束時間が減り、生産性は上昇しました。

 出張は、社員のモチベーションアップ、士気を上げに効果的ですが、テレビ会議で社内外の商談を済ませられるのなら、出張費を払う側の企業にしてみれば削減したいコストですよね。そういう意味で、コロナは企業が出張が必要ないと証明する良い機会になりました。 出張者が多くを占めている東京、大阪、名古屋といった大都市を結ぶ路線ではより顕著に搭乗者数が落ち込むでしょう。島へのビジネス客数は少ないので、その分影響は限定的かと思います。

 

 まとめ

 

    • コロナが収束するまでは島観光客の落ち込みは続く。感染すると重症化のリスクの高い中高年の方は特に観光を自粛すると思います。
    • コロナが長期化すれば、フライト運賃が高くなることで観光客がさらに減少する負のスパイラル。金銭的に余裕がある若者くらいしか旅行しなくなります。
    • 小さな島ほど観光収入に依存しているので打撃が大きい。そういった島では人口が減るリスクもあります。
    • コロナ後は、レジャー客は戻ると予想するが、ビジネス客は戻らないと予想します。