宮古島バブルの背景と今後の展望

最近、週刊誌やニュースでバブルと騒がれている宮古島。場所によっては地価が500倍以上に急騰したところもあると報道されています。その背景と、今後の展望について現地に行って探ってみました!

宮古島バブルの背景

宮古島人気急騰の起点は、伊良部大橋の開通とされています。伊良部大橋は、2015年に開通した全長3,540メートルの橋であり、通行料金をとらない橋としては日本で最長です(ソース:Wikipedia)。

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橋で撮った写真が瞬く間にSNSで拡散し、「行ってみたい」、「ドライブしてみたい」と好奇心に掻き立てられるのでしょう。インフラとして島と島を結ぶ目的で建設された橋が、大きな観光資源となっていました。

橋だけがすごいのではなくて、橋の開通をきっかけに、宮古ブルーと称される美しい海を全世界に発信できたことが観光客の集客につながったと思います。

宮古島には、川がなく土砂が海水に流れ込まなくなっており、海水の透明度が高いです。また、沖縄には全世界に800種類あるサンゴ礁のうち、200が生息しているそうです。島の周りを囲んでいるサンゴ礁の浄化作用で海水が綺麗になります。このような自然の偶然が重なって今の宮古島を作り出しているのです!

宮古島の順調な観光業

観光客数は、伊良部大橋が開通した2015年以降倍増しています。2015年に53万人だった観光客が、2018年には114万人まで伸び、2倍以上に増加しました。

(ソース:宮古島市)

2019年は4月―12月実績しかないため、その9か月分の対前年比%と同じ水準で2020年1月―3月も推移すると想定しています。

更に、2019年3月より下地空港が開設し、宮古島初の国際線も開通。2019年には10万人、2020年には30万人の観光客が下地島空港経由で訪れると予測されています(ソース:三菱地所)。

また、平良港では、より大型のクルーズが寄港できるように整備が進められています。2015年には13回しかクルーズ船の寄港がなかったのが、2018年には143回まで上昇し、更に2020年は既に300以上の予約があるらしいです(ソース:宮古毎日)。

このように観光客の大幅な増加に伴い、宮古島では観光客を受け入れる体制づくりに積極的なのですね!

 

観光業の宮古島経済への影響

観光客が増えると、観光客が落としたお金で現地のビジネスが潤います。観光客が泊まるホテルの需要が増え、観光客が食事をする飲食店や、アクティビティーを提供するツアー会社、お土産ショップなどの需要も増えます。潤った現地のビジネスは、更なるビジネスの拡大へ向け、雇用拡大や、設備投資をする循環ができます。現在の宮古島の状況がまさにそうだと思います。宮古島の有効求人倍率は2倍近い水準です(ソース:ハローワーク宮古)。要するに、実際に仕事を探している人の数よりも、求人が2倍あります。

並行して、賃金も上がっているようです。正社員の賃金は2014年の17万円から、2018年には18.2万円へ上昇。パートの時給も同期間で820 円から950円へ上昇しています(ソース:宮古毎日新聞社)。

実際に島の人達に話を聞いたところ、仕事はすぐ見つかると仰っておりました。特に、ホテル、レンタカー、居酒屋は人手不足の様子。また、建築業でも慢性的な人手不足に陥っているらしく、島の外から建設作業員を集めていると聞きました。

これらの仕事目的で島に来る移住者の急増で、賃貸住宅の需給のバランスが崩壊しているようです。現地の人たちは、口をそろえて家賃が急激に上がっていると話しておりました。ワンルームマンションの家賃は、ほぼ東京都内と同水準の10万円近くまで上がっているとのこと。それでも供給が追いついておらず、何か月も入居待ちの物件が多数あるらしいです。

入居者増を受けて、宮古島市での賃貸住宅の着工件数が近年大幅に増えています。2014年に274件だったのが、2018年には、1,843件と約7倍も増えました(ソース:国土交通省住宅着工統計)。

 

宮古島ホテル建設ラッシュ

賃貸住宅の着工件数の増加の背景はホテルの建設ラッシュにあります。ドライブ中、所々でホテルの建設現場を見かけました。海沿いにある田んぼに、唐突に灰色のカバーを被った建物の骨組みが立っている光景を幾度と目にしました。

現地の人に話を聞くと、海沿いの土地の多くが既に大手のリゾート会社に買収されているようでした。宮古島で多くのリゾートホテルを経営するユニマットグループのユニマットプレシャスは、2019年に1,137室あるホテル客室数を2020年度末までに2,000室、24年度末までには、6,000室に増やす方針を発表しています(ソース:宮古毎日新聞)。

 

建設ラッシュ後のホテル稼働率はどうなるか

沖縄県が実施している宿泊施設実態調査結果によると、宮古島の客室数は2018年末時点で3,622室、一日当たりの収容人数で9,350人。2018年4月―2019年3月までの一年間で宮古島を訪れた観光客数は114万人。仮に一人当たり平均2泊したとすると、114万人*2泊=228万の宿泊者延べ人数がいたことになります。

収容人数を一年間分に置き換えると、9,350人*365日=341万泊分あったことになるので、延べ宿泊者数/収容人数=228万/341万=66.8%のホテル年間稼働率になります。単純計算ですが。。

ユニマットプレシャスの計画通りに2024年までに約5,000室増やすと、ホテル稼働率はどうなるのでしょう。宮古島の客室数は現在の3,622室から8,485室になり、一日あたりの収容人数は現在の9,350人から21,904人になります。年間にすると、約800万泊分の供給です。

もし観光客数が伸び悩んだ場合、どうなるのか。仮に2024年も2018年度と同じ観光客数で、平均宿泊数が2泊だったら、ホテルの年間稼働率は228万/800万=28.5%にまで低迷してしまいます。

客室単価の高い高級ホテルなら何とか凌げるかもしれませんが、安価な宿泊施設には、黒字維持をするのが難しい稼働率ではないでしょうか。

 

陰りを見せる宮古島観光客数とその影響

そんな中、観光客数の伸びが鈍化しています。上記に記載した通り2019年4月―12月の観光客数は、前年と同水準です。2018年度の114万人の2倍近い200万人を目標に掲げている宮古島。複数のホテルが開業し、下地空港も稼働し始めた宮古島にとって、前年と同水準だとコストに見合わないのではないでしょうか。

観光業はアップダウンが激しいです。もしも何か変化が起きて観光客が伸び悩んだらどうなるでしょうか。ホテルは想定通りに客数がこないので、コスト削減に走り、余分な残業時間を減らしたり、必要に応じて人員削減をせざるをえなくなります。

仕事目的で島に来た移住者は生計を立てられなくなり、島を離れます。賃貸物件の需要が下がり、それに伴い家賃も下がります。

一過性の労働力が多い分、島の人口は減り、賃貸需要の下落は激しくなります。一方で、建設してしまったマンションは、今後40-50年は稼働し続けなければなりません。賃料の高騰が急激だった分だけ、賃料の下落が急ピッチで進むと思います。

賃料が下がれば、物件から得られるキャッシュフローが下がるので、土地や建物の価値も下がります。また、同様にホテルの稼働率が下がれば、ホテルから得られるキャッシュフローが下がるため、今まで高騰していたリゾート開発用の土地の価値も下がります。

 

宮古島観光の今後の展望

少しネガティブな話をしましたが、超長期的なスパンでみると、宮古島の観光客は伸び続け、宮古島の経済発展をけん引すると考えています。その理由は、豊かな観光資源(宮古ブルー、ダイビングスポット、伊良部大橋)、観光客誘致に積極的な姿勢に加えて、アジアからのアクセスの良さです!

ハワイと比較してわかった沖縄の観光ポテンシャルで触れましたが、中国、韓国、台湾、香港といった大きな経済圏から直行便のフライトタイムで3時間でアクセスできる距離にあります。それにもかかわらず、2019年3月の下地空港開港でようやく香港からの直行便ができた程度で、その他の国からは未だ直行便がないのです。

宮古島市が積極的にクルーズ寄港回数を増やすのに加え、アジアのメジャーマーケットからのフライト直行便の開拓が進めば、更に観光客が増えますよね! まだ未開拓な分、それだけポテンシャルが残っているということと解釈できます。

お金があれば今のうちに宮古島に土地でも買っておきたかったですね。。(笑)

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