将来南国の島に住むのが夢の私が、小笠原父島へ行って、移住の実現性をリサーチしてきました!
1) 仕事はあるか、2) 住む家は見つかるか、3) 物価はリーズナブルか、4) 医療体制は整っているか、5) 島社会に溶け込めるか、6)インターネット環境はどうか等、移住前に知っておきたいことに関して現地の生の声を聴いてきました!
結論から言うと、デスクワーク系の仕事が少なく、医療施設が整っていない点から、普通の方にとっては移住するにはハードルが高いと感じました。人口が2,000しかいないので、すべてそろっていない点は仕方がないですね。
また、現地の人の話だと、仮に仕事を見つけたとしても、給料が低い割に物価が高いので生計を立てるのは厳しいとのことでした。
それに加えて、週一便のフェリーでしかアクセスができず、東京都の往復に50時間かかってしまう点を考えると、だいぶ物理的なハードルと精神的なハードルが上がりますよね。
もちろん小笠原の素晴らしい自然環境で生活ができることにどれだけの価値を感じるか次第だと思います。日本に4つしかない世界自然遺産の1つで、手つかずの自然が堪能できます!
もう働かなくても良いほどのお金を持っていて、健康に自信があれば、移住はありですね!
Contents
小笠原父島で仕事が見つかるか
観光業、飲食業、建築業関係の仕事が大半で、デスクワークをしていたサラリーマンの方には、なかなか仕事はなさそうです。もし仕事が見つかったとしても、本土のように大企業が存在しているわけではないので、もらえる給料は低いそうです。
観光業や飲食業で事業を興しに行くのなら別かもしれません。とはいえ、小笠原丸が週一便しかなく、旅行客数が年間約3万人ですので、売上の上限がそこでひかれてしまいます。仮に、島に来る観光客全体の10%に利用してもらえるサービスを5,000円で提供したとしても、3万人*10%*5,000円=1,500万円の年間売り上げにしかなりません。
住民向けの事業を興したとしても、父島の人口が2,000人ですので、そこまで儲けることはできなさそうです。仮に、1,000円の弁当を作って、島人口の10%の人に毎週利用してもらったとしても、2,000人*10%*1,000円*52週=1,040万円の年間売り上げにしかなりません。
小笠原の温暖な気候を生かしてフルーツや野菜を栽培して、本土の人向けに売ることも考えられますが、そもそも島の面積が23キロ平方メートルしかなく、その大半が世界遺産区域に指定されていることもあり、何をするにも大きな土地は使えないです。
小笠原父島の物価はどうか
小笠原にはスーパーが2つあります。基本ほとんどの食料や日用品が本土から小笠原丸で輸送されてきて、毎週船が入港する日に一気にスーパーの棚が埋まります。そこをめがけて地元のお客さんがスーパーに買い出しに行きます。私がいたときは、船が入港した日に限って、通常夕方6時までの営業を1時間延長して7時までやっていました。
本土から食料や日用品を運んでくるのでその分物価が高くなります。大体東京の物価の2-5割くらい割増しの相場でした。東京のスーパーで100円の納豆が、小笠原では120円とかでした。それでも輸送費の7割を東京都が負担していて、島民の方の負担を減らしているそうです。
一点驚いたのが、アマゾンからの配送料金は東京都内と同じ扱いのようです!従いましてプライムメンバーであれば、送料無料! 小笠原丸が運んでくるので配送に時間は要しますが。教えてくれた現地のツアーガイドの方はかなりアマゾンのヘビーユーザーのようでした笑
小笠原は有人国境離島法の対象になっている全国71の離島の一つです。これらの離島では、日本の領海や海洋資源を守るために、重要な役割を担っているということで、国が支援してくれます。その支援の一つが物資の費用負担の軽減なのです。
物価は高いですが、島は天然資源が豊富なので、魚をつったり、庭で野菜を育てたりしてある程度の自給自足ができればその分食費を削れるのではないでしょうか。
小笠原父島の不動産事情
父島は人が住んでいる一部を除いて世界遺産に登録されており、開拓する土地がないそうです。 また、賃貸を探すにも、不動産会社が存在しないせいで、人づてに見つけるか、住居付きの仕事を見つけて移住してくるしかないそうです。島には、家賃3万円ほどで住める都営住宅も存在しますが、島の住民ですら2-3年待ちの状態のようなので、そこに最初から入ることは不可能に近いです。
以下の写真は都営住宅です。まさに南国にある都営住宅ですね!
富山県から旅行に来ていた30代のカップルは、父島に移住を計画しており、旦那さんが建築系の仕事をしているので、建築関連の住み込みの仕事で父島に移住する計画をしていました。また、釣りも趣味だそうで、多くの魚が釣れる父島では食料にも困らないと言っていました。手に職があって羨ましい限りです。。。
小笠原父島の医療体制
お医者さんが2-3年の任期で東京から来ていて3人ほどいるらしく、診療所はあるが、外科がないため手術はできず、産婦人科医もおらず、人工透析のような手の込んだ治療もできないため本土に行くしかないそうです。
現に、重い病気にかかった多くの方は島を出て、本土で生活をすることになるようです。現地のガイドの方は、これが理由で父島の平均年齢が41歳と、日本全国の平均(48歳)と比べてだいぶ若いと言っていました。
小笠原父島の島社会へ溶け込めるか
住民の9割がこの写真に映っている大村にお住まいのようです。まさに政府がすすめるコンパクトシティーです。
現地のガイドさんによると、住民2,000人の島なので、ほとんど島の人たちは顔見知りのようで、誰かが移住してくるとすぐにわかるとのこと。悪いことをするとあっという間に噂は広まって、住みにくくなるかもしれません。悪いことはできませんね笑 。
島民の大半は本土からの移住者のようで、小笠原の魅力に引き付けられてやってきた方が多いそうです。実際に、島民15人くらいと話させてもらいましたが、うち12人が本土からの移住者でした。話した方々はおおらかな性格の方が多く、また、同じ移住者なので寛容に受け入れてくれるように思えました!
小笠原父島のインターネット環境
インターネット環境は万全でした。そのため、リモートワークをするにも最適な環境だと思いました。島の人が住んでいる大村エリアでは、都内と変わらない携帯通信環境で普通に4Gが使えました。ソフトバンク、ドコモ、AUのどのキャリアでも通信可能だそうです。それもそのはず、父島には東京から海底光ケーブルが敷設されているようです。また、二見港待合所や小笠原ビジターセンターではフリーWIFIも使えました!
小笠原父島から本土へのアクセス
なにせ小笠原<->東京間は往復で50時間かかりますし、一週間に一回しか船が出ていないこともあり、とても不便です。それに加えて船が揺れるため、快適な旅をするのが困難です。私が話をした地元の方々のほとんどが年に一回本土に帰省していました。本土の家族に何かあった時にすぐに行けないのはとても大きなハードルだと感じました。
いかがでしたでしょうか。移住を検討する前にまずは旅行、あるいはリモートワークで小笠原父島に行ってみてください!
父島から東京へ向けて出発する際、島の皆さんがどこまでもついてきてくれて、見送ってくれるのは感動のシーンでした!