将来ハワイに家を持ちたい!と思っている人は多いのではないでしょうか。私にとっても長年の夢です! ハワイとはいえ海外不動産投資になるので、国内不動産投資よりもハードルぐっと上がります。
最大の障壁が、海外不動産は現金での購入がほぼほぼ必須になる点です(厳密にいうと、融資してくれる銀行はあるものの、金利が高く採算があわないのと、借り入れられる金額が限定的という欠点があり、お勧めできないないので省きます)。
一方で、東京都のワンルーム投資は頭金ゼロで買えるという宣伝広告を目にしたことがありませんか。堅実にサラリーマンを続けていて、ある程度の収入をコンスタントに稼ぎだされている方は、この信用ステータスをフルに活用して条件の良い融資が引き出せます。
この融資の差を乗り越えてでも、どうしてもハワイ物件投資諦めたくない方のために、東京ワンルームとハワイコンドミニアムのキャッシュフローを比較してみました!
*物件のキャッシュフローシミュレーションは、それぞれ不動産エージェントの方から情報提供頂いて作成しております。物件によって条件は変わりますし、納めている税金で節税メリットも変わりますので、あくまでも目安としてお使い頂けますと幸いです(このシミュレーションの節税メリットは、年収1,000万円ベースで算出しております)。
Contents
物件基本条件の比較
東京の物件は、人気急上昇中の文京区のワンルームを選びました。三田線の駅から徒歩4分とアクセスが良く、高い稼働率が想定できますね。それに加え、2014年築の築浅です! 価格もワンルームでありがちなぎりぎりで2,000万円台に抑えられており、賃料もぎりぎり10万円を超える程度です。
ハワイの物件は、皆が憧れるワイキキビーチから徒歩圏内のコンドミニアムを選びました! 1 BED/1BATHですが、58㎡あるのでゆったりした空間です。ワイキキビーチは見えませんが、目の前はAla Way Riverで、その後ろには山が見える長閑な眺望です。物件価格の差がそこまでない中、賃料が2倍以上の2,200ドル(24万円)ももらえるのは嬉しいですね!
1980年築で日本の感覚だと築40年でとても古いですが、ワイキキでは普通です。アメリカでは、建物が丈夫に作られているらしく、しかも地震がないため、100年くらいは持つといわれています。
では、この2件の収益性を比較してみましょう!
物件実質利回りの比較
賃料ではホノルル物件が2倍上でしたが、実質利回りでは文京区物件の方が良くなります。これには驚きました。。。ハワイに物件を買いたかったので残念でもあります(笑)。
収支が逆転してしまうり要因は、ホノルル物件は賃料が高い分、それ以上に全費用が高くなっています。特に管理費であるHOA(Home Owner’s Associationの略)が月に82,000円かかってしまいます。HOAはテナントがいる/いないにか関わらず毎月発生します。空室が続いて賃貸収入が入らなくなった時のキャッシュるが怖いですね。
現金購入が必要で、かつ実質利回りも悪いハワイのコンドミニアム。金銭的なメリットは一切ないのでしょうか?! 実は、物件価格と賃料のインフレを考慮すると投資価値が一気に上がります!
ホノルルコンドミニアムの価格推移2011-2020年
(Source:Zillow)
上記は、ホノルルコンドミニアムの新築と中古をあわせた平均価格になります。2011年に約30万ドルくらいだったのが、2020年には45万ドルくらいまで上がっていますね! 10年で1.5倍になっているので、その期間の年間平均上昇率は4.1%あります。これならキャピタルゲインが期待できますね!
エージェントから聞いた話ですが、ハワイ不動産価格は上がり続けていて、なかなか下がらないそうです。リーマンショック時も下落が限定的だったとのこと。ハワイ不動産の特徴として、売り出されている供給物件が非常に少ないのに対して、世界中から需要が集まるため常に需要過多。リーマンショック時は、この供給が更に絞られたため、価格が下がらずに持ちこたえられたようです。それなら安心して投資できますね! もちろん、お金があればですが。。
また、米国の不動産は中古になっても価格が下がらないというメリットがあります。日本の不動産は、新築が高く、中古になった途端に価格が下がってしまう傾向にありますよね。一般的に築年数を重ねるにつれて物件価格が下がっていきます。一方で、米国では築年数は特に重視されていません。そのため中古物件でも値上がりするケースが多いです。建物が頑丈のためそこまで気にならないのでしょうね。
ホノルルに限っていうと、そもそも不動産用に開発できる土地がとても限られているので、どんどん新築が建って中古が見劣りしてしまうということがありません。なので買った後も十分に価格が上がることが期待できるのです!
賃料も同じ動きをします。物件が少ない分、ホノルルに住みたい人が増えると賃料が上昇します。それに加えて、日米のインフレーションを比較すると、日本が0%前後なのに対して、米国が2%前後ですので、米国の方がより自然に賃料が上昇します。日本では、物件が年数を重ねるにつれて賃料が微減していく傾向にあるようなので、むしろデフレです。今後、両国がどのようなインフレ水準で推移するかは予測できませんが、両国のマクロ経済の予測についてはここをクリックしてください。
それでは、この物件価格と賃料のトレンド違いを織り込むべく、それぞれの物件を購入してから35年間賃貸運用してから売却した場合、キャッシュフローがどうなるか比較してみましょう!
キャッシュフロー内訳比較- 東京フルローン購入vs ハワイ現金購入
日本と米国での物件価格/賃料と築年数の関係性の違いを加味すべく、文京区物件は毎年物件価格と賃料が-1%下落、ホノルル物件はどちらも毎年+2%上昇すると仮定しています。
物件売買キャッシュフロー: 売却額 - (ローン返済/購入額)です。文京区物件は購入時の出費とローン返済を合わせて4,000万円かかっているのに対して、売却時には1,700万円とその半分にもなりません。一方で、ホノルル物件は3,800万円の現金が最初に必要ですが、35年後には5,800万円で売却できます!結果、文京区物件は2,300万円の赤字に対して、ホノルルの物件は1,900万円の黒字になりました。
東京の-1%の下落とホノルルの+2%の上昇のインフレトレンドの差が顕著に表われました。
賃貸運用キャッシュフロー:文京区物件が2,500万円の黒字に対して、ホノルル物件は3,100万円の黒字です。もちろんインフレは賃料のみならず全費用で加味しています。また、費用が高い分、多少ホノルル物件の方が節税効果が大きくなりますね(物件の購入をされる前に、税理士の方に相談されることをお勧めします。上記は不動産エージェント情報に基づいて作っているだけです)。
実質利回りでは文京区物件が上回っていましたが、35年間運用するとこちらもインフレ効果でキャッシュフローが逆転します。実質利回りの欠点はその時の賃料、費用、物件価格で計算されているスナップショットなので、今後の予測ではない点です。
合計キャッシュフロー:文京区物件で300万円、ホノルル物件ではなんと5,000万円にもなります! しかし、これは純粋な毎年のキャッシュフローの合算値です。実際にはインフレーションがあるので、お金の価値が変わってきます。現在価値に変換するには、インフレ分を割り引かないといけないです。ここでは、毎年1%の割引率(インフレ率)でNPV(正味現在価値)を計算しました。そうすると、それぞれ13万円と2,850万円と大幅に減ってしまいます。
以下わかりやすいように累積キャッシュフローのNPVを購入時から売却時までの35年間分棒グラブにしてみました。
年別累積キャッシュフロー比較① – 東京フルローン購入vs ハワイ現金購入
文京区物件は、購入時の出費が抑えられている分最初の赤字幅は小さいですが、賃料だけではローンの支払いをカバーできないため、毎年持ち出しが発生してしまい、その赤字が徐々に累積して大きくなります。35年後の売却時にNPVがプラスに転じますが、13万円と金額が小さいためグラフ上では確認が取れないレベルです。
一方で、ホノルル物件は購入時に現金が必要で大幅な赤字スタートしますが、賃貸運用で毎年キャッシュフローがプラスになるので、徐々に累積赤字が少なくり、売却時に一気に2,900万円の黒字転換してますね。
参考までに、35年間現金保有した場合のケースも入れました。金額はホノルル物件の購入時に必要な3,800万円です。1%のインフレの中、何もせずに放っておくことで、35年後にNPVで1,100万円も損をすることになります。
それと比べると、文京区物件もホノルル物件もNPVはプラスなのでより魅力的です。仮に3,800万円を1%のリターンで投資運用していたら、インフレと同じ1%なので、NPVは0になっており、損しなかったことになります。
文京区物件はフルローン購入、ホノルル物件は現金購入となると、同一条件でのNPV比較ではありません。次は両物件現金購入で買った場合のNPVを試算してみました。
年別累積キャッシュフロー比較② – 東京現金購入 vs ハワイ現金購入
文京区物件のNPVは、フルローンでの購入ケースではプラス13万円でしたが、ここではプラス286万円に上がりましたね!ローンを活用しないことで、毎月の金利分を払わなくてよくなるので、その分NPVが良くなりました。しかし、ホノルル物件の2,900万円と比較すると見劣りします。
賃貸収入で頭金ゼロのフルローン支払いをほぼほぼカバーするスキームは、賃料が物件価格に対して高く、かつ超低金利で融資ができる日本ぐらいでしか実現きないスキームです。これは日本のサラリーマンの方の特権だと思います。
しかし、せっかく超低金利のフルローンで物件購入をしても、手元の現金の使い道が他にないのであれば、現金を使って物件購入して、NPVを少しでも上げたほうが良いですね。
では、最後に文京区物件をフルローンで購入して、残った手元の現金を5%リターンの株式投資に回した場合はどうなるでしょうか(米国株投資で期待できるリターン%についてはこちら)。両ケースともにホノルル物件価格同等の3,800万円を現金で持っており、文京区物件は毎月の赤字を補填する費用を差し引いた残りを5%リターンの株式投資したケースです。
年別累積キャッシュフロー比較③ -東京フルローン購入+株投資 vs ハワイ現金購入
文京区物件のNPVは、手元資金で株投資をすることでなんと12,300万円まで上がります! ずっと高く見えていたホノルル物件のNPV 2,900万円が小さく見えますね! これがフルローン融資を受ける最大のメリットです。ホノルル物件は現金が最初に必要なことで大きな機会損失をしてしまっていると言えます。
まとめ
一見、東京都のワンルームに投資する方が、1)頭金なしの超低金利フルローンで、2)かつ実質利回りも高いため、より金銭的なメリットがあるように見えましたが、ハワイのコンドミニアムは、物件価格と賃料のインフレ効果で、長期保有して売却すればより大きな収益をあげられることが今回のシミュレーションでわかりました。
しかし、東京ワンルームはフルローン融資を活用し、手元の現金を株式に投資することでより大きな収益をあげることが可能です。そのため、どちらの物件を購入するかは、単純に両物件のキャッシュフロー予測だけではなく、手元に余った資金のその他の使いみをしっかりと理解して進めたいですね!
もし物件を変えてシミュレーションをしたい場合、あるいは各条件(ローン金利、為替レート、割引率(インフレ率)等)を変えてシミュレーションしたい方はこちらからご連絡ください!各条件をカスタマイズできるエクセルを差し上げます!
文京区物件とホノルル物件を興味深く読ませていただきました。
日本にいてホノルル物件を購入して賃貸する場合賃料の受け取りはどのようにするのでしょうか?
近藤様
ご質問ありがとうございます!
ハワイに銀行口座を作ってそこに不動産エージェントを通して振り込んでもらうことが一般的だと思います。日本口座振り込みだと、毎月手数料がかかってしまいます。
ハワイの口座は、旅行中でも簡単に作れます。以下情報載せておきました:
バンクオブハワイ:http://bankofhawai.com/account.html
また、ユニオンバンクという三菱UFJ傘下にあるアメリカの銀行であれば、日本からも口座開設が可能です。こちらも以下情報を載せておきました:
https://www.bk.mufg.jp/tsukau/kaigai/kouza/cali/index.html
また何かあればお気軽にご連絡ください!