夢のハワイで家を持ちたいが、別荘として寝かしておく経済的な余裕はなく、賃貸運用して収入を得たいと思っている方はいらっしゃいませんか。賃貸に出すとはいえ、ハワイに家を持つことで、ハワイとつながりが深くなることにおける精神的なメリットは大きいと私は思っています。それに将来ハワイ移住した際にはそこに住めますし。
また、賃貸運用することで、ビジネスに直接かかわる旅費は経費として計上できることもあるため、ビジネスにハワイ旅行を組み合わせれば、ハワイに実質安く行けることも大きなメリットであります(税金周りは専門家の方にご相談ください)。
しかし、ハワイは不動産物件の賃貸利回りがあまり期待できる場所ではなく、高額の年収を稼ぐ日本人サラリーマン向けの節税メリットがより謡われてきました。それでもハワイで物件を買って賃貸収入を得たいと思われる方に、ハワイで高い利回り実現するのに肝心な4つのポイントを、Zillowを用いて紹介させて頂きます!
Contents
比較するハワイホノルルの3つの物件
ホノルルの3つの異なるエリアの物件を用いて、それぞれの視点から比較したいと思います。物件は以下です (物件情報は2020/9/6時点のZillowからです):
1) ハワイカイの物件
リンク:https://www.zillow.com/homedetails/7128-Hawaii-Kai-Dr-APT-98-Honolulu-HI-96825/82439987_zpid/
2) ワイキキの物件
リンク:https://www.zillow.com/homedetails/255-Beach-Walk-24-Honolulu-HI-96815/82381401_zpid/
3)ダウンタウンの物件
リンク:https://www.zillow.com/homedetails/1088-Bishop-St-APT-3103-Honolulu-HI-96813/82486617_zpid/
それぞれの物件の条件は以下の通りです(ソース: Zillow):
どの物件も1 Bed 1 Bathで、価格レンジは4,500万円から5,500万円です。築年数はHawaii Kaiが1997年で一番築浅に対して、Waikikiが1961年とだいぶレンジが広いです。家賃のレンジは一か月$1,900から$2,200とさほど離れていません。
ポイント1: Price to Rent Ratioが低い物件を選ぶ
この指標の計算式は物件価格/満額年間家賃で、物件価格が何年分賃料に値するかを指しています。物件のオーナー側からすると、この数字が低ければ低いほど賃貸収入が高く、より早く物件投資資金回収できます。
物件を借りるテナント側にとってみると、この数字が低ければ低いほど賃料が割高で、物件を買ったほうがお得になります。
SmartAssetによると、アメリカのPrice to Rent Ratioの平均値は17.91で、ホノルルはその2倍の39.5になるそうです。$474,000(5,000万円)の家に対して、家賃収入が1,000ドル入ってくる計算です(記事は2019年3月のものです)。
この数字は、アメリカのSan Francisco、Oaklandといったベイエリアにあるテック企業の集積地に次いで3番目に高い数字です。要するに、ホノルルは不動産オーナーさんにとって得られる賃貸収入が低い都市Top 3なんですね。賃貸物件投資には不向きということになります。。ハワイが大好きな私にとってみれば超残念な結果です。。
以下アメリカPrice to Rent Ratioが高い都市Top 10:
(ソース: SmartAsset https://smartasset.com/mortgage/price-to-rent-ratio-in-us-cities)
それでも諦めず、3つの物件でPrice to Rent Ratioを比較してみましょう!
どの物件も18~20の間で大差はないですが、Hawaii Kai唯一20台と一番不利ですね。上記のSmart Assetの調査結果である39.5と比較すると、どれも約半分になります。ホノルルの中では比較的賃貸物件投資に向いている物件なのでしょう!
ポイント2: HOAが低い物件を選ぶ
ハワイの物件は基本日本よりかは寿命が長いので、築50年の物件でもリフォームを通してしっかりと維持できていれば、築浅と比較してもそこまで物件価格、賃料の両方において値落ちしない傾向にあります。
買い手にとってみると価格と賃料が下がらないことは大いにプラスなのですが、古い物件には、HOAが高くなるデメリットがあります。HOAとはHome Owners Associationの略で、日本でいう管理費と修繕費にあたります。日本のマンションも古い物件ほど修繕費が高くなるので傾向は同じですね。
しかし残念ながら、ハワイのHOAは日本の管理費と修繕費と比較しても群を抜いて高いです。特にワイキキにある物件は、土地が限られているため新しいコンドミニアムが立つことは全くなく、どの物件も軽く築40-50年を超えてしまっており、そのためHOAが高額です。
また、共有施設が多い物件ほどHOAは高くなります。例えば、エレベーター、テニスコート、プール、バーベキュースペース、ジムといった共有施設がついている物件の方がそうでない物件よりもHOAは高いです。ワイキキははリゾート地ですので、複数の共有施設が揃っている物件が多く、HOAが高くなります。
以下3つの物件のHOAの月額と、築年数、HOAに含まれている共有施設&サービス(Amenity)の比較です:
Hawaii Kai物件のHOAが$301ダントツで安いのにも関わらず、Amenityが一番充実していますね。むしろ日本のマンションと変わらない水準です。一方で、Waikiki物件のHOAは、$898と一番高いのにも関わらず、AmenityはConciergeしかありません。この差は築年数の違いなのでしょうかね。
このようにワイキキは立地の良さから高い家賃を稼げるのですが、HOAで家賃の半分が無くなってしまうことがあり、それに加えて、空室リスク、固定資産税、現地不動産エージェントに払う賃貸管理委託費、その他物件の修繕やリフォームにかかる費用を払うと(HOAでカバーされるのは共有スペースの修繕費のため、物件内でかかる費用はオーナー持ち)、赤字になるケースが多くあります。
以下3つの物件の実質利回りを簡単に計算してみました(所得税、減価償却は含んでおりません)。
Price to Rent RatioではHawaii Kaiが一番不利でしたが、HOAが一番安いことで、実質利回りベースでは1.892%と一番高くなっております。東京のワンルーム投資だと3-4%くらいの実質利回りが見込めるそうなので、純粋に収益だけで比較すると大分見劣りますね。。。東京ワンルーム投資とハワイコンド投資のキャッシュフロー比較に関してはこちらをご覧ください!
一方で、Waikikiの物件は0.365%と低く、少しでも空室が続いたり、複数の修繕が発生したら赤字に陥ってしまう低さです。。。ハワイの物件は、物件価格や賃料だけを見て購入判断するのはとても危険だということがよくわかりますね! HOA費用次第で、収支は逆転します。
HOAは、日本のマンションの修繕費と同じで年々上がる一方で下がることはないと思って頂いたほうが良いです。そのため年々賃料が上がっていかないと、収益は悪化してしまいます。今後 HOAが上がることを見据えても、収支がプラスになる物件選びをお勧めします!
ポイント3: 同じ地域、同じ間取りの物件と賃料を比較する
Price to Rentを低く抑えられ、HOAも低く抑えられたからと言って、それで全てが完璧とは限りません。当たり前のことですが、テナントは同じ条件でより安い物件が見つかれば、そちらを選びます。従って、賃料が競合物件と比較して競争力があるかをチェックする必要があります。
同じ建物内に、同じ間取りの物件があれば一番参考になります。また、Zillowは以下の通り、エリア別、間取り別に、平均賃料を算出してくれますので、これも参考にしましょう!
Zillowによるとホノルルの1 Bed Roomの賃料の平均は$1,910ですね。3つの物件の家賃は$1,900-$2,200なので、まあ相場でしょうか。
ポイント4:Rent to Income Ratioをベースに誰が住めるかをイメージ
同等条件の競合物件と比較して賃料の妥当性を確認できたなら、次はどのような世帯年収の人が物件に住めるかをイメージします。
いくら賃料が競合物件と比較して妥当だからといっても、その物件に住める年収を稼ぐテナント層が存在しなければ、テナント探しは困難を極め、空室期間が長くなってしまいます。
US Department of Housing and Urban Developmentによると、 2018年においてアーバンホノルルで家を借りている世帯の平均年収は$60,326で、支払っている平均家賃は$1,726だそうです。
(ソース:https://www.huduser.gov/portal/publications/pdf/UrbanHonoluluHI-CHMA-19.pdf )
年収に占める家賃の割合を計算すると34%になります($1,726*12 Month/$60,326=34%)。 これはRent to Income Ratioと呼ばれ、大体3割くらいに抑えることが推奨されていますが、ハワイでは賃料が高いのに対して年収が低いので、Rent to Income Ratioが少し高めになります。
この同じ34%を使って家賃を払うのに必要な年収を逆算すると、Hawaii Kai 物件で$77,800、Waikiki 物件で$70,600, Downtown 物件においては$67,000の世帯年収が必要となります。ハワイでどのような仕事をしている世帯が$67,000 – $77,800の年収を稼いでいるのでしょうか。Indeedによるとハワイで人気の職種ごとの年収は以下の通りです。
(ソース:https://www.indeed.com/salaries/Salaries,-Hawaii)
これを見ると、平均年収は$33,000-53,000のレンジに集中していますね。この年収だと一人で住むのはいずれの物件も金銭的に難しいので、共働きのカップルが住むと想定するのが無難でしょう。
職場は大半の仕事がDowntownやWaikiki周辺になると思うので、Hawaii Kai物件に住むとなると車が必要になります。幸いにも本物件にはParkingが2つついているので、別々の車で通勤するのが可能ですね。ナイスです!
ハワイホノルルの3つの物件のうちどれを買うべきか
3つの物件を比較しましたが、いかがでしたでしょうか。私なら一番築浅で、実質利回りが一番高く、アメニティも一番充実しているHawaii Kai物件を選びますね。
しかし、現在のハワイは、コロナショックで失業率が高止まりしており、$1,900 – $2,200の家賃を払えるテナントを探すのはいつも以上に大変だと思います。家賃を下げてテナントを入れると、その分賃貸利回りも下がってしまうので、物件価格が十分に下がるようであれば、検討しても良いかなと思いました。
コロナ過のハワイ不動産動向及びにハワイ経済動向についてはこちら
また、上記の情報は全てZillowから拾えます。Zillowの使い方についてはこちら